ごあいさつ
製造業の技術者を自発的に行動し、課題解決できるようにする。
これが当社の技術者育成方針です。
多くの企業において指示待ちの技術者より能動的に動くことを、
また課題解決に向け評論ではなく具体的な課題解決まで完結させる実行力をそれぞれ求めているはずです。
この理想像に近づくため、技術者には何が必要なのかを突き詰めていくと、
技術業界に依存しない「技術者の普遍的スキル」に到達することがわかりました。
当社はこの普遍的スキルに到達するために必要な技術者育成を、
法人向けに展開しています。
人材育成というサービスや支援を提供する企業や組織は多くあります。
ここで何故あえて技術者育成を軸としたのかについて触れたいと思います。
一般的な人材育成は技術者の育成には適用できない
上記が自ら技術者として、10年以上にわたる部下の育成経験で行きついた答えでした。
技術者は技術的専門性が武器の専門職であるため、
指導する側にもある程度高い技術専門性が求められる
ことの理解が重要です。
技術者育成を行う対象技術者との専門性合致など、
技術専門性自体が重要なのではありません。
技術者への指導を行う者が技術を突き詰めた経験を有さないと、
指導される技術者の心を動かすことができない事の理解がポイントです。
どれだけいい指導をしても、それを受ける側が受け入れてくれなければ意味がないのです。
あくまで一例ですがビジネスマナーを考えます。
技術者も社会人であることを考えれば、ビジネスマナーは当然重要です。
しかしビジネスマナーを技術専門性とどのように関連付けながら、
日々の技術業務推進に活かすのかという話になった途端、
ビジネスマナーを指導する多くの方々は適切な指導ができないのではないでしょうか。
技術者の多くが一般社会人向けの人材研修を実務に活かしにくい理由の一つはここにあります。
技術者の専門性へのこだわりを活用して技術者育成を推し進める
自発的に行動することで課題解決する役割を担うことができる技術者の多くは、
良くも悪くも自らの専門性にこだわりを持っています。
このこだわりは専門性至上主義と当社では定義し、
技術者育成においては負の側面が強いことがわかっています。
しかしこのこだわりは技術者として成長し、
当社の目指す像に到達するには不可欠な思考であるため、
否定してはいけないのです。
技術者育成を行う指導者は自らも技術専門性を徹底的に高め、
その上で指導する側の専門性に敬意と興味を示すことで、
指導される技術者からの信頼を獲得することが重要です。
私自身も自らの専門である材料力学や有機化学を基軸に、
FRP(繊維強化プラスチック)に関する最新技術に触れるよう、
日々継続した取り組みをしています。
上記の取り組みは、当社のFRP技術指導事業のHPをご覧いただけます。
このように指導者自らも技術者としての向上心を持ち続けることが、
技術者育成の過程において指導される技術者の方々からの信頼を得る前提条件だと考えます。
信頼関係が無いと、技術者人材育成の内容が指導された技術者の中で血肉となるのはなかなか難しいでしょう。
技術者育成のスキルアップフロー設計にインクルージョン・マネジメントの考え方を導入
技術者育成は個人の育成に加え、技術チームとしての組織にも踏み込んだ考え方が必要との理解です。
企業である以上、組織として最大限の成果を出すことが最重要だからです。
当社では現在主流である多様性を認めるダイバーシティー・マネジメントから一歩踏み込んだ、
インクルージョン・マネジメントの考え方の導入を開始しています。
これは21世紀に入ってから研究が本格化した比較的新しい理論で、
個々人の能力発現と組織への帰属意識を両立させたインクルージョンという状態を目指す考え方です。
技術者のように専門性を活かした個人競技の要素が入りがちな職種に重要な考え方で技術者育成と相性がいいことから、当社ではこれに基づいた新人技術者研修も行っています。
今後は技術者育成にインクルージョン・マネジメントの考え方を適切に導入しながら、
支援メニューの開発に取り組んでいきたいと思います。
当社の技術者育成事業は様々な企業での技術者指導という実経験によって、
より良いものになっていくと考えております。
技術者を育成し、企業技術力を目指したい企業様からのご連絡をお待ちしています。
2024年3月25日
FRP Consultant 株式会社
代表取締役社長
吉田 州一郎