クライアント企業に対する技術者育成事例

技術者育成コンサルティング、製造現場コンサルティング、新人技術者研修プログラムについて、実際のクライアント企業での実例を抜粋してご紹介します。ここに示したのはあくまで一例であり、技術者育成に関して抱える課題によって支援の内容や形態は変化いたします。

 

 

また、コラムやメルマガでも「技術者育成実例」として不定期にご紹介しております。技術者育成に関する支援内容のご参考にしていただければ幸いです。

 

 

詳細については、問い合わせページよりお気軽にお問合せください。

 

 

※以下のメニューをクリックすると、各コンサルティングメニューのページに移動いたします。

 

 

 

技術者育成コンサルティング

 

事例:研究開発チームの技術コミュニケーション不足

研究開発を行うチームのマネジメント体制強化を行いたいという打診を受け、契約を締結。

まず取り組んだのは、課題の抽出でした。

 

・見受けられた課題

管理職から一般社員まで一通りのヒアリングを行ったところ、技術的な情報に関するコミュニケーション不足が明らかとなりました。各技術者の仕事が個々人で完結されてしまっており、管理職は状況がとらえきれておらず、また現場の技術者も自分たちの行っていることを管理職が理解していないことに不安と不満を覚えていました。

 

・課題解決に向けた対応

技術コミュニケーションの改善に注力この状況を打破すべく、まず技術報告書のテンプレート設計を一緒に行いました。技術報告書を技術的な情報の共有媒体として活用するのが狙いです。最初に技術報告書の作成意義を周知の上で、行った実験や評価を技術報告書として技術情報が蓄積する体制をマネジメントチームと協力して構築しました。技術報告書の書き方はもちろん、管理職側も技術報告書の添削方法がわからない状態にあったため、技術者の技術報告書の添削指導も行いました。

 

この体制を構築した結果、チーム内で技術報告書という媒体によって技術情報の共有がなされ、また技術報告書の作成を通じて技術者の論理的思考力が改善。結果として、自分の技術テーマの進捗報告などの精度が上がりました。

 

体制維持には継続的な支援と指導が必要と判断し、数年にわたり当社が顧問として支援を続けています。

 

 

 

事例:技術テーマ進捗報告会開催方法

技術テーマの進捗報告会について、技術的観点から推進方法が妥当か否かがわからず、支援をお願いしたいという要望に応じて契約を締結しました。

 

・見受けられた課題

第一の課題は、技術テーマの進捗確認会において、発表する技術者の報告に対し、他の技術者が質問やコメントを一切していないということでした。これは、同じチームとして技術テーマについて取り組もうという姿勢が希薄であることを示していると判断しました。さらに、管理職向けだけに発表しているように見受けられ、技術的な議論を深めるというのが趣旨であるはずの技術テーマ進捗確認会のコンセプトがずれていることを指摘しました。

 

・課題解決に向けた対応

進捗確認はテンプレートに基づいて実施進捗確認会で用いる報告書のテンプレートを提案しました。計画と実績が1:1になるようにし、その下に翌月の計画を記載することで、計画→実績→次月計画という流れが形成されるようにしました。またテーマについて技術的な議論を深めることを目的に、技術的な内容の相談事項を事前に書く欄を設定。テーマの進捗を話すだけでなく、技術的な課題やポイントは無いのかについての議論を誘発する書式を設計しました。

 

技術者の発言が少ないことについては、司会をする中堅技術者を専任として決め、その司会者の技術者に質問の投げかけ等の指導を実施しました。実際にこの会には当社も参加し、状況把握にとどまらずに積極的な技術的質問を行うことで雰囲気の改善に努めました。

 

その結果、司会者の技術者が積極的に発表者以外に発言を求める流れができ、技術テーマの進捗確認会は、技術的なテーマを技術的な観点で議論する会へと進化させることができました。本体制を確実なものにするため、現在も継続して指導と技術テーマ進捗確認会に参加しています。

 

 

事例:ニーズやシーズを意識しない内向きの技術テーマ企画立案法

「景気や業界動向によってテーマが激減することから、安定的に技術テーマを立案、実行する流れを作りたい。そして、それに向けて自社で技術テーマを企画立案するための体制を構築したい。」という相談があり、コロナ禍という社内業務に余裕のある間に対策を講じたいとのことでした。

 

・見受けられた課題

契約後に研究開発体制を把握を目指し、技術テーマの検討や企画立案に関連する実業務を一緒に取り組みました。その結果、顧客からの要望に”そのまま”応じるだけの「受け身の業務(御用聞き業務)」に終始しており、自らが主導権をもって技術テーマを進めるということが困難な状態にあることが明らかとなりました。

 

・課題解決に向けた対応

技術的なテーマ立案は企画がポイント最初に技術テーマの企画立案方法について指導を行いました。技術テーマを考える際には、まず顧客が抱えるであろう課題や問題を抽出し、それを自社の技術を用いてどのように解決に近づけられるのか、という所がポイントであると指導を実施しました。

 

その後、課題提起からその解決に向けた技術的アプローチを外に向けて発信する技術情報発信のスキルに関する基本指導を実施。自社製品の説明資料を作成する、ということを題材に経験を現場技術者に積んでもらいました。さらに自社技術の市場周知を目的に、当社ネットワークを活用し、マスメディアの技術誌の編集者をつなぐことで連載の企画立案を支援し、連載を開始。継続的な紙媒体による技術情報発信によって得られる市場からのフィードバックというシーズ、ニーズ理解の一助にする実務形態の一つとして指導を実施しました。

 

本指導を通じ、市場からのフィードバックを活用した技術テーマ立案の流れの一つを構築することができました。

 

 

事例:海外との技術的協業の手法習得

自社の技術的業務の取り組みが国内が主体である一方、海外の方が複数の技術領域で先行している状態が続いており、海外企業や海外の研究機関と自社の技術者が技術的議論ができるようにしたいという相談を踏まえ、契約を締結しました。

 

・見受けられた課題

現状把握を目的としたヒアリングの結果、海外企業や研究機関とのやり取りは、商社を活用するという道筋しか理解しておらず、商流が無いと議論のきっかけも得られない状態であることが課題として抽出されました。さらに、技術者の方々が英語などの外国語スキル以前に、海外企業との技術的議論のやり取りにおける様々な鉄則を、経験不足のために理解していない状態にありました。

 

・課題解決に向けた対応

海外企業や海外研究事前議題の設定、議事録の蓄積による議論発散の回避、電話を活用した積極的コミュニケーション、自社が何をしたいのかを主体とした技術的議論と交渉の方法等について、OJTで指導実施。当社のネットワークを使った欧州のコンソーシアムを紹介して関係を構築後、当社が実際に議長として共同研究開発に関する議論を英語で実践展開。必要に応じて日本語による補足をしながらOJTの内容について指導を行っています。また、英語での議事録や、議題案の作成指導や添削の指導を継続しています。

 

 

 

 

 

製造現場改善コンサルティング

 
お客様の声

長年蓄積された技術で創出した製品の世界展開に向けた技術者育成 <お客様の声:金属部品加工メーカ>

 

 

事例:製造工程の変更により生産性向上を目指す

半世紀を超える特殊部品の製造技術を有している一方、工程条件の多くが経験による感覚論で運営されていることを問題視。工程パラメータを最適化することにより、生産性向上を目指したいというニーズに応えて契約を締結しました。

 

・見受けられた課題

製造工程の改善は技術的評価に基づいて実施可否を判断実際の工程について現場で一通りの確認を行った上で、複数の改善案について抽出を行いました。しかしながら、自社では工程変更を行う場合、何をもってその確からしさを担保するかの指標が無い上、そもそもプロセスパラメータを取得するための測定機器も有していない状態でした。

 

さらに、技術的な評価をもってどのように変更可否の判断をするかといったプロジェクト運営のノウハウも無く、元々絶対的な権限の有ったオーナーから命令されていたことを実行するだけの文化が根付いていたことから、能動的に物事を考える技術者が皆無でした。生産性向上ということを議論、実践するのに必要なスキル、設備、業務フローというソフトとハードが欠落しているのが実情でした。

 

・課題解決に向けた対応

技術評価計画→実行→技術報告書によるまとめ、という技術的なプロジェクト業務の基本中の基本について、業務フローをマネジメントと協力しながら構築。必要な書類の構成を解説の上、テンプレート設計を行いました。

 

その上で、現場でのデータ取得に必要な測定機器の選定、これらの機器の設置に必要な治具の設計や、当該機器を既存設備に設置するのに用いる治具の図面の書き方などについて、基準設定や幾何公差の記載法も含めて指導を実施。工程変更の前後における同等性の判断に向け、検定や分散分析等の統計学の基本を解説の上、必要な解析プログラム構築を支援の上で提供しました。また、材料試験実施に先立ち、SS線図の解釈についても解説を行うことで、自社で評価を行える体制を構築しました。

 

現在は各プロジェクト推進によって得られた結果を、どのように技術報告書にまとめるかについてその記載方法等について指導を継続しています。また、定期的にプロジェクト進捗確認会をマネジメント主催で開催し、各担当者が現状と課題、今後の展開について技術的観点で議論することを行っています。

 

 

 

 

 

新人技術者研修プログラム

 

事例:技術の伝承に向けた技術報告書作成のスキル向上を目指す

多くのベテラン技術者が定年を控えていることにより、技術の伝承が進まないことを懸念。この伝承を促進するための一つの手段として、技術報告書の作成業務を定常業務とするにあたり、技術報告書の最低限の知見について半日程度で研修をしてほしいという要望をうけ、検討を開始しました。

 

・見受けられた課題

企業においてどのような知見提供を行えば技術報告書のスキル向上が狙えるかわからない、という状況だったためオンラインによる打ち合わせを実施しました。その結果、研修ですべてを理解させたいというよりも、本当に初歩的な部分を固めたいというのが狙いと判断し、技術報告書の基本構造を理解するという所をに注力した研修を企画しました。

 

・課題解決に向けた対応

実際の研修ではポイントの説明だけでなく、その説明を踏まえて受講した技術者に実際に課題に取り組んでいただくことで研修内容の理解の状態を把握。研修終了後に、技術報告書の作成スキルについて個別の状態を本研修依頼元の部署のご担当の方にまとめてお伝えし、今後の技術報告書を定常業務とするための検討の一助としていただきました。

 

研修はオンラインという限られた環境でしたが、聴講者全員に対し事前課題のフィードバックまで行い、受け身にならない研修を心がけました。

 

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