若手技術者が技術的な打ち合わせで話した内容を理解できていない
公開日: 2025年2月24日 | 最終更新日: 2025年2月24日
今回は出席していたにも関わらず、
若手技術者が技術的な打ち合わせで話した内容を理解できない、
という問題解決に向けての対応を解説します。
技術者は技術的打ち合わせの記録を残すのが苦手な傾向が強い
これは全体としての傾向ですが、
技術者は打ち合わせの記録を残すのが苦手、
もしくはそのような意識さえ持っていないことが多い傾向にあります。
その理由は完全に明確化できていませんが、
技術的な打ち合わせにおいて、
「技術専門的な議論ができた」
といった技術的側面で技術者が満足してしまうのが一因ではないかと考えています。
技術的な議論ができたことで、
- 自らの技術専門性の高さを周知できた
- 新たな技術的知識が増加した
といった、技術者の自尊心をくすぐる出来事があると、
それで満足してしまうイメージとなります。
この満足感が強すぎると、
議事録等で記録を残そうというところまで考えは至らないでしょう。
技術的な打ち合わせで行った議論内容を若手技術者が理解できないことも多い
技術的な議論が交わされ、
そこで話される技術専門用語の中には、
若手技術者が知らないものも多くあると思います。
そのような用語に気を取られているうちに議論が進めば、
若手技術者はその話から取り残されてしまいます。
さらには技術的な打ち合わせの背景と目的を若手技術者が正確に理解できていなければ、
そもそも何を話すかも想像できず、
議論内容そのものがなぜ行われているかわからないところで思考が止まる可能性もあります。
技術的打ち合わせで重要なのは技術専門性よりも”何を決めようとしているのか”の理解
技術的打ち合わせで最も重要なのは、
「何を決めようとしているのか」
の理解です。
本点は若手技術者に加え、
それ以上にリーダーや管理職が徹底して理解しておくことが必須です。
”打ち合わせの目的”が重要という話も散見されますが、
間違いなく重要なのは”何を決めようとしているのか”です。
言い換えれば、何かを決めることを想定していない技術的打ち合わせは、
目的以前に開催する必要性そのものを疑う目線が、
リーダーや管理職に求められます。
本点は不要な打ち合わせを削減して若手技術者の時間捻出する視点であり、
連載でも詳細を取り上げる予定でいます。
では、この辺りを念頭に若手技術者に技術的打ち合わせを理解させるには、
技術者育成の観点からどのような取り組みが必要なのでしょうか。
若手技術者が技術的打ち合わせの理解を深めるのに最も有効なのは議事録作成
前述で述べた必要な取り組みの筆頭は”議事録”の作成です。
これが最も効果的です。
技術者の普遍的スキルの柱の一つである、
”論理的思考力”の醸成効率について、
当該業務と技術報告書作成を上回るものは有りません。
特に議事録作成で重要なのが、議事録中でいう
「決定事項の記載」
です。
議事録の記載方法については別の機会に取り上げますが、
当該書類中の決定事項を正確に記載できるようにすることが、
技術的打ち合わせの内容理解に最重要です。
議事録は作成させたうえで、リーダーや管理職が確認
若手技術者が作成した議事録は、
必ずリーダーや管理職が作成し、
内容に誤解は無いか、抜け漏れは無いかを確認します。
必要に応じたフォローを行うことで、
若手技術者は技術的な専門用語といった細かい部分ではなく、
議論全体を俯瞰的に見る視点を養う糧とすることができます。
よって議事録確認の際、リーダーや管理職は
「(技術的内容について)こんなことも知らないのか」
といった本質と無関係な指摘は無用です。
議事録を他の誰かが作成した場合、その内容を若手技術者に読ませる
もし若手技術者が作成せず、
別の打ち合わせ参加者が議事録を作成した場合、
それを若手技術者に読ませることが肝要です。
内容理解確認のため、リーダーや管理職から質問をする
読ませた後、大切と思われる部分について、
リーダーや管理職から若手技術者に複数質問をしてください。
細かいところではなく、
決定事項を中心とした技術的打ち合わせの要点に関する内容に関連する質問が望ましいです。
若手技術者が当該質問に対してうまく回答できない部分があるようでしたら、
それは理解が及んでいない内容です。
リーダーや管理職はそれらを丁寧にフォローし、
若手技術者の打ち合わせ内容理解を進めることが求められます。
若手技術者のモチベーションを高めるため必要に応じた技術的専門用語の解説を
ここまで述べたことの多くは、
実は技術者だけでなく、
総合職の方々にも応用できる取り組みです。
しかし技術者向けである以上、それだけでは十分とは言えません。
技術者育成で重要なのは”継続性”です。
この継続性を維持するためには、技術者育成の源泉ともいえる
「若手技術者のモチベーションを高める」
ことが求められます。
そしてモチベーション向上に最も効果的なのは、
「技術的専門用語の解説による若手技術者の専門知識習得」
です。
議事録を用いながら技術的な用語の解説を加えるだけで、
若手技術者にとってそれは退屈なビジネス文書から、
技術的な内容が含まれる教科書に変化します。
このような技術的刺激を与えることで、
若手技術者の有する専門性至上主義を刺激し、
モチベーション向上のきっかけとさせる工夫も大切です。
本コラムに関連する一般的な人材育成と技術者育成の違い
打ち合わせ内容を理解させるという意味では、
一般的な人材育成であっても議事録を活用する、
という観点はあると思います。
これに対し、
技術的打ち合わせ内容理解を目的にした技術者育成の取り組みの特徴としては、
技術者が最も視点として欠けがちな
「決定事項」
を議事録内で最も注意を払わせることにあります。
技術的専門用語という技術的打ち合わせの”点”に意識を奪われることなく、
全体を俯瞰的に眺められる”面”に目を向かわせるよう注力するのが、
技術者育成の特徴の一つといえます。
さらに育成対象である若手技術者のモチベーションを高めるため、
技術的打ち合わせで出てきた技術専門用語の解説を、
議事録の作成や確認後のコメントとして加える工夫は、
技術者育成ならではの考え方といえます。
本コラムに関連する具体的な技術者育成支援の例
技術者育成コンサルティングとして対応します。
最初に議事録のテンプレート導入を、
リーダーや管理職クラスと議論を交わしながら行います。
その後、当該層の方々に作成のやり方に加え、
確認、説明のやり方を解説することで、
議事録の書き方に関する添削と確認、並びにフォローのやり方の指導を行います。
継続支援をクライアント企業に対して行う場合、
定期的に確認済みの議事録の確認を当社側で行い、
確認方法に抜け漏れが無いかをチェックの上、
必要に応じてリーダーや管理職に対して支援や指導を行います。
まとめ
若手技術者が出席していたにもかかわらず、
技術的な打ち合わせ内容を理解できないことは、
決して珍しいことではありません。
分からない専門用語の氾濫に混乱し、
何かを決めることが打ち合わせの本質も見えない状態では、
若手技術者が前述の状態に陥るのは当然とも言えます。
リーダーや管理職は議事録というビジネスインフラを導入したうえで、
その作成を通じて若手技術者に決定事項を中心とした内容理解を進めると同時に、
技術的打ち合わせで出てきた技術的専門用語の説明を行うことを通じた、
若手技術者のモチベーション維持と向上を目指すことが重要です。
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