何度説明しても若手技術者が 指示内容 をなかなか理解しない Vol.114

公開日: 2020年6月8日 | 最終更新日: 2020年6月8日

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何度説明しても若手技術者が 指示内容 をなかなか理解しない

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今日のコラムでは若手技術者が 指示内容 を理解しない、という問題について考えてみたいと思います。

 

 

 

 

「この話は前にも説明したはずだが、理解できていない」

 

 

 

「果たして人の話を聴いているのだろうか」

 

 

 

「わからなければ質問するように伝えてあるので、質問が来なければわかっていると思っていた」

 

 

 

 

若手技術者に業務指示を行っているマネジメントから時折うかがうコメントについて、
代表的なものを抜粋しました。

 

 

 

若手技術者を部下に抱える技術者の中には、
同じような経験をされた方があるかもしれません。

 

 

このような経験は決して特別な事ではなく、
様々なところで見聞きすることからも、
マネジメントとして対策を打たなくてはいけない事項の一つといえます。

 

 

このような状態では指示される若手技術者への心理的負荷はもちろん、
言う側のマネジメントにもストレスがかかるためです。

 

 

 

 

指示理解されないと感情的になってしまう

このような状況で最も問題なのは、

 

 

「指示内容が通じないとマネジメント側が感情的になってしまう」

 

 

ということです。

 

 

 

「どうして、これだけ説明しているのにわからないんだ」

 

 

 

という感情が優先的になると、
指導や指摘というよりも、

 

 

 

「感情に身を任せた叱責」

 

 

 

が主体となってしまいます。

 

 

 

 

 

こうなると聴く側も緊張してしまうため落ち着いて指示内容に傾聴することができず、

 

 

「指示内容が頭に入ってこない」

 

 

という完全なる悪循環に陥ることになります。

 

 

 

 

 

若手技術者は基本的に余裕がない

上記の状況をさらに悪化させてしまうのが、

 

 

「若手技術者は基本的に余裕がない」

 

 

という事実です。

 

 

 

 

外見から明らかに余裕がないとわかる若手技術者だけではなく、
一見、要領よく仕事をやっているような若手技術者であっても、
程度の差はあれ皆若手のうちは余裕がありません。

 

 

自分の時代は、と言いたくなるマネジメントの方もいらっしゃるかもしれませんが、
研究開発のスピードや世界状況の変化、
さらには技術トレンドの変化加速や複雑化、
そして昨今の感染症拡大をはじめとした社会的不安定さの拡大など、
状況は刻々と変化している今、あまり過去の経験だけをベースに物事を考えてはいけません。

 

 

 

 

いずれにしても、まず、指示しても若手技術者の理解が進まない場合、
若手技術者自身に余裕がないということを念頭に置くことが重要です。

 

 

若手技術者は基本的に余裕がないということについては、
以下のコラムでも述べたことがあります。

 

※ 若手技術者の 時間捻出 をどのようにすれば実現できるのかわからない

 

 

 

 

 

指示事項は予め活字化しておく

 

具体的にどのようにして冒頭の課題に対応していくべきなのかについて、
述べていきたいと思います。

 

マネジメントとしてまず取り組むべきは、

 

 

「指示事項を活字化する」

 

 

ということです。

 

 

 

 

例えば口頭で若手技術者に指示しようとなった場合、
過去に指示内容を理解していなかったことなどを思い出しながら、
ついつい色々と言いたくなってしまわないでしょうか。

 

 

「この際だから言っておくが、いつもお前に対しては….」

 

 

 

「今回の件にもつながることかもしれないが、前にも….」

 

 

 

といったように、本来指示すべき内容から脱線し始めるのは、
マネジメントと言えども感情を持つ人間なので致し方ない部分があります。

 

 

 

 

このような状態になった時、マネジメントが若手技術者がマネジメントに威厳を感じていれば、

 

 

 

「また叱られている。どうしたら叱られないのだろうか。」

 

 

 

という委縮した「ことなかれ主義」に走り、逆に見下されていると、

 

 

 

「また年寄りが訳の分からないこと言ってる」

 

 

 

と聞く耳を持たない態度のどちらか、またはどちらかに近い態度をとると思います。

 

 

 

 

 

どちらにしても結局のところ指示事項をきちんと理解して、
業務を推進しようという考えが若手技術者に芽生えないのは同じなので、
憂慮すべき事態といえます。

 

 

 

このようなことにならないために効果的なものの一つとして、

 

 

 

「指示事項を活字化しておく」

 

 

 

ということがあります。

 

 

 

活字化することで、口頭での説明は最低限にすることができます。

 

 

 

 

さらに活字化することで、

 

 

 

「若手技術者は指示内容を活字という媒体を振り返ることで理解しやすくなる」

 

 

 

という効果も生まれます。

 

 

 

当然ながら指示する側も自ら活字化しておけば、
その活字化された内容から大きく脱線して、
不必要な言葉をかけることも少なくなります。

 

 

 

若手技術者たちも仮に口頭で言われたときに理解できなくとも、
後から活字化された指示内容を振り返れば、
自分たちに求められているのは何かということを理解できるでしょう。

 

 

 

 

 

理解を深めるため、ポイントを絞り口頭説明は短時間で

 

若手技術者が指示内容を高い精度で理解させるには、

 

 

「口頭での説明はポイントを絞って短時間にする」

 

 

というのが大切です。

 

 

 

 

口頭での情報を多く提供しすぎると、
情報量が多すぎるために何が重要なのかわからなくなる恐れがあります。

 

 

 

 

このようなことを避けるため、
口頭での説明はできる限り短時間にすることが重要です。

 

 

 

より具体的には、
上述した活字化した指示事項をなぞりながら述べる程度で十分なのです。

 

 

 

ポイントを絞って短時間に、
というマネジメントの姿勢は若手技術者を叱るときにも重要です。

 

 

 

伝える情報を絞ることができれば、
それだけ情報伝達の精度が上がってきます。

 

 

 

 

色々指示したい中で重要なポイントに絞る。

 

 

 

このような情報提供の方法が、
効率的な業務指示の基本なのです。

 

 

この辺りは以下のコラムで述べたことがありますので、
合わせてご覧ください。

※ 技術者育成における若手の 叱り方

 

 

 

 

 

若手技術者に指示した後、
的確なアウトプットがでるというのは、
技術者の仕事の基本です。

 

 

 

その基本を確たるものにするためには、
活字を基本とした、的を絞った指示方法が欠かせません。

 

 

 

業務指示の伝達精度に悩まれるマネジメントのご参考になれば幸いです。

 

 

 

 

 

 

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