若手技術者が 口ばかり で動かない Vol.123
公開日: 2020年10月13日 | 最終更新日: 2020年10月12日
若手技術者の中にはいわゆる
「口だけ」
の方がいます。
これは本人に悪気があるわけではなく、
自分の意見を述べることに重点を置いているだけの事であり、
それによって自らの存在価値を見出そうとしている一種の防衛反応です。
しかし問題なのは、言うだけなのは誰でもできる一方、
「重要なのはそれを実行できるか否か」
という事実です。
何かを前に進めるにあたり、
技術者の間で議論し、方向性を決めるのは大切なことです。
しかしながら、
議論の中で発言するだけで仕事が前に進むのが当たり前という誤解を若手技術者のうちにしてしまうと、
その技術者は将来、技術者ではなく評論家になってしまうのです。
そして評論家の技術者は以下のような言動が目立つようになり、
早い段階で戦力外になっていきます。
では、 口ばかり になりがちな若手技術者に対して、
どのような課題を示せばいいのでしょうか。
口だけの技術者かそうでないかは技術評価計画を立案させればすぐにわかる
結論から述べると、
「技術評価計画を立案させる」
というのが取り組ませるべき最初の課題となります。
例えば若手技術者が、
「それについては○○を示せばいいと思います」
「この事実を証明するには、××を行えばいいと思います」
といった場合、マネジメントはその発言に応じて
「では、その案を具体的にどのように行うべきか、詳細を含め技術評価計画を立案せよ」
と命じるのです。
マネジメントが見るべきポイントは以下の通りです。
・目的に対し、取得したいアウトプットが明確か。
→目的到達に必要なアウトプットが示されているかを確認します。
・必要な評価が俯瞰的に網羅されているか。
→行おうとしている評価に抜け漏れがないかを確認します。
・技術評価手順は明確か。
→細かいところまで記載され、何をやろうとしているか明確になっているか。
この辺りが明文化できる発言であれば、
「それは評論ではなく、立派な技術提案」
になります。マネジメントはそれに対し真摯に内容を精査し、
評価を実行するか否かの承認判断をすることが求められます。
そしてこの辺りがかける若手技術者は、
その後、他の企業をマネジメントする指示書や依頼書をかけるようになります。
このような観点からも、
「若手技術者だから口ばかりで中身が伴っていない」
と決めつけるのではなく、技術評価計画をきちんと立案できるか否かを見極め、
もしそれができるようであれば責任ある仕事を任せ、
即戦力にするという一種の英才教育に近い技術者育成計画が必要になると考えます。
その一方で、技術評価計画が書けない若手技術者は戦力になりません(恐らく80%以上の若手技術者は全く書けないと思います)。
「技術評価計画の書けない提案や発言内容では業務は前に進まない」
ということを通達し、技術評価計画を何度も出し直させる一方、
何度やってもできないとなった段階で、
まだそのフェースに無い(実行力が無い)ことを理解させ、
目の前の仕事に取り組むよう指示を出すことがマネジメントとして必要な対応です。
口だけと思った若手技術者が思わぬ戦力に成長することもあります。
そういう意味でも、頭ごなしに決めつけるのではなく、
マネジメントもその力量を図るチャンスを与えるということを忘れないようにしてください。
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