若手技術者を 展示会 に出席させたいが何をやらせればいいかわからない

公開日: 2019年10月15日 | 最終更新日: 2024年7月2日

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若手技術者に外を見てもらいたいというマネジメントの判断により、
彼ら、彼女らを展示会に派遣させるということもあると思います。

 

 

今回は、展示会に若手技術者を参加させた際の技術者育成の観点からの取り組みをご紹介します。

 

 

※本コラムに関連する当社事業:技術者育成コンサルティング

 

 

 

自社製品の技術的強みを理解し、伝える

 

業界全体を見てきてほしいという指示は基本を押さえており良いと思いますが、
経験の浅い若手技術者にとってはそのような情報を取ってくるという成果を出すという観点では、
なかなか難しいかもしれません。

 

 

しかし時間と経費をかけていってもらう以上、何か成果を持ってきてほしい。

 

それがマネジメントの本音かと思います。

 

 

このようなマネジメントの要望に近い成果を出す確率を高めるものの一つとして、

 

「自社製品の技術データが掲載されたカタログを持たせ、技術的メリットに関する情報を拡散させる」

 

というものがあります。

 

 

コストなどの話ではなく、あくまで技術にこだわったメリット、

すなわち強みを理解の上、相手に伝えることがポイントです。

 

 

 

 

自社製品の技術的強みの理解は技術情報発信型マーケティングの基礎

 

これはこれからの若手技術者の方々に必須の、

 

「技術専門性を活かした情報発信型マーケティング」

 

の基本の一つです。

 

 

 

若手技術者を含む技術者の方々は営業を始め、

モノやサービスを売る最前線の方々と差別化を図らなくてはいけません。

 

 

日々試行錯誤しながら営業活動をしている営業を含む総合職の方と、

同じフィールドで勝負する必要はないのです。

 

 

 

技術者の普遍的スキルの一つである企画力は必要条件

 

上記の展示会の参加における若手技術者の役割は、
情報の伝達に限定されるため、
既に技術的メリットをきちんと述べられるための技術情報を、

「技術者に必須の企画力」

を基本に準備できているというのが前提になります。

 

 

企画力については以下のコラムでも述べたことがありますので、
詳細はそちらをご覧ください。

 

※ テーマ「イノベーションと企画力」の投稿一覧

 

 

 

この辺りは普段の顧問先での指導に加え、企業の新人研修、
並びに来月から開催される栃木県庁でのセミナーでもお話をする予定です。

※ 栃木県庁主催の 若ものづくりネットワークセミナー 登壇

 

 

 

 

若手技術者に”武器”を持たせることは大前提

 

若手技術者が自社製品の技術的強みを述べるには武器が必要です。

 

 

これが

 

「自社製品の技術データが掲載されたカタログを持たせる」

 

に該当します。

 

この武器は、情報として相手、特に潜在的顧客に渡った後、
それ自身が情報浸透のための役割を果たし、

結果的にマーケティングに関する効果を発揮するのです。

 

 

 

定量的な技術データを基本とした比較と課題解決力の明記が武器としての性能の根幹

 

上述のカタログのポイントは、

 

– 技術的なメリットが定量的に述べられていること

 

– どのような課題を解決できるのかということが明確化されていること

 

– 問い合わせ先が明記されていること

 

の3点です。

 

 

 

そして当然ながら若手技術者はこれらの内容をきちんと述べられればそれが理想的です。

 

 

武器を活用して、会った相手に自社技術を説明できるということは、
技術者育成の観点からも極めて有効なアプローチだからです。

 

 

 

 

若手技術者はすべてをその場で回答できる必要はない

 

その一方、若手技術者に留意させることもあります。

 

 

それは、

「わからないことは無理に答えず、後日こちらから連絡するといって名刺を渡す」

というつなぎ止めのアクションをできるか、ということです。

 

 

技術者はどうしても自分で抱え込んで解決しようとする癖があります。

 

 

そうではなくて、持ち帰って確認の上、改めて連絡するので連絡先を交換したい、
という一言が言えるようになることが技術者としての大きな一歩になります。

 

自社技術に興味ある企業を見つけ、
その企業とのネットワーク構築の足掛かりを作る。

 

 

このような成果を得られれば、
若手技術者を展示会に行かせる大きな動機になるのではないでしょうか。

 

 

 

 

本コラムに関連する一般的な人材育成と技術者育成の違い

 

一般的な技術者育成だと、

恐らく全体を把握し、業界動向を調べる練習をする、

相手から情報を聞き出す、といった営業職を念頭に置いた話が多いかもしれません。

 

もちろんそのようなスキルは技術者にとっても必要ですが、

より優先的に必要なのは今回のように

 

「技術的な強みを定量的に示すことの意味の理解」

 

 

に尽きると思います。

 

技術者育成ではデータのまとめ方や統計学を用いた検定による定量評価など、

技術者としての強みを生かしたデータの示し方から指導を行います。

 

 

 

 

まとめ

 

技術情報という事前準備は必須ですが、
是非若手技術者に外で潜在的顧客とのコミュニケーションをする、
ということを是非経験させてあげてください。

 

 

 

 

 

 

最後に

 

技術者育成コンサルティングでは、

展示会に向けた自社製品やサービスの技術的強みを示す情報レイアウト、

そこに記載すべき技術データのとり方と解析方法について、

基本的なところから指導を行います。

 

 

技術者育成コンサルティングに関するご質問等ありましたら、

本ページの問い合わせフォームなどから、

遠慮なくご連絡をいただければと思います。

 

 

 

 

著書情報

 

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