若手技術者に 顧客目線 を植え付けるためには


県庁主催の企業向け講演などにおいて事前課題に取り組んでいただいていますが、
若手から中堅の技術者に限らず、管理職の技術者が強く感じているものに


「技術以外の事業部との連携」


を挙げる方が多いことに気がつきます。

 

これは、


「 顧客目線 をみにつけたい/みにつけてほしい」


ということの重要性を感じているということが背景にあるようです。

今日は技術者が顧客目線をみにつけるための取り組みについて考えてみたいと思います。

 

 

柔軟性の高い若手の間に仕事の中に遊び「しろ」を


先日の日経新聞で「技術者らの活動支援」という題目で、
ヤフーが月一万円を限度に使い道を制限せずに、
技術者やデザイナー向けに活動支援制度を設定したというニュースが出ていました。

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO21787230S7A001C1TJ1000/


この取り組みのポイントは、


「使い道を制限しないこと」


です。若手技術者に裁量を与えているのです。

 

えてして企業というのは何かお金を渡すにあたり、


「こういうアウトプットを得ること」


というように組織都合の制約をつけたくなるのが心情だと思います。

 

技術系の仕事に関して組織が期待するのは一般的には技術系の勉強会や講演会への参加などが想定されると思います。

 

ここに制限を付けないことにより、柔軟性の高い若手技術者ならではの様々な取り組みを出すメリットが出てくると思います。

 

サークルのようなものを立ち上げて何かを一緒にやるという経験をすればチームプレーの勉強になるかもしれません。


自分でブログを開設し、機密に関する話をしないという前提で様々な考えを発信する、
というのも文章作成力を高める練習になります。

 

いずれにしても若手技術者に裁量権を持たせるこのような取り組みが顧客目線を養うきっかけになることはヒントの一つだと考えられます。

 

 

顧客目線を養うために必要な若手技術者の裁量権とは


いよいよ本題です。


若手技術者に顧客目線を養わせるために必要な裁量権とは何でしょうか。


色々な可能性がありますが、一つ候補を挙げるとすれば、

 

「若手技術者の裁量権で情報発信をさせる」

 

です。


顧客目線を知るためには上司や先輩、または営業部と顧客との打ち合わせに同行させるという考え方もあります。

 

もちろん一つのアプローチとしては正解です。

 

しかし、若いうちからあまり従来顧客要望一辺倒になると、新たな顧客の開拓ができないことに加え、後に顧客からの要望が無いと動けない、いわゆる受動的技術者になりかねません。


加えて企業というのは従来顧客目線の大切さは重々承知していますので、
あえてここで述べる必要がないというのもあります。

 

それよりも大切なのは、


「若手技術者が自分の考えで製品や技術を不特定多数向けに情報発信する」


ということです。

 

プレスリリースの記事の作成、HPへの記事の作成、製品カタログの作成の上、展示会への出展するというのが一つの王道です。


単に展示会に出展するのでは効果が半減します。

 

自らがどのようにすれば自社製品が優れていることを説明できるのかということを考え、
その考えに基づいた情報発信媒体を準備した上で、
展示会などで顧客を待つのです。


売り込む必要はありません。


売り込んだ先にニーズがあればいいですが、特に興味ない顧客にとってみれば先方の時間の無駄になり、
そこから得られた情報もポイントがずれている可能性があります。
なぜなら相手はその製品を欲していないからです。


その一方、情報発信を主体とすることで、自社製品に興味のある顧客が自然に集まるようになります。


このような自社製品に興味がある、必要に応じて調査している顧客との議論こそが顧客ニーズをとらえる最良の手法であり、若手技術者が顧客目線を獲得する最短距離になります。

 


情報発信を主体とした準備とそれに集まる顧客との議論。

 

 

技術者が顧客目線を得るための一つのやり方としてご参考になれば幸いです。


 

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