技術者人材育成による大切なリスクヘッジ

公開日: 2014年10月24日 | 最終更新日: 2014年10月24日

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技術者人材育成で備えるべき最も恐ろしいリスクは何でしょうか?

 

 

それは、

 


重要業務を担える代役の技術者がいない

 


ということです。

 

 

どこの技術者組織でも必ず「エース」の地位に君臨する技術者はいます。

 

どのような仕事も短時間でこなし、アウトプットの質も高い。

 

若手技術者にとっては目指すべき姿としても重要な立場となります。

 

 


と、ここで満足してしまうとこの技術者組織はどこかで成長の限界を迎えます。

 


単純な話です。

 


「ワントップのエースにすべての仕事を集中させ、技術者人材育成の動きが停滞する」

 


からです。

 

 

始まりはエースとして走り続ける技術者の異変からです。


本当の意味での優秀な技術者であれば、次のように感じるときが来ると思います。

 

「ここ数年、自分は成長できるような仕事はできているだろうか」

 

優秀な技術者に共通するのは継続的な「向上心」。

 

この向上心があるからこそ、短期間で仕事を覚え、期待に応え、成果を積み上げるというプロセスを踏み、相対的に頭一つ以上抜きんでる立場となってきたはずです。

 

当然向上心は衰えるはずもないので、どこかで、


「最近、同じような仕事しかしていない…..」


そして、


「自分が目指すべきゴールはどこにあるのだろう….」


という迷いが生じ始めます。


このエースの迷いこそ、組織全体への雰囲気の悪化につながっていってしまうのです。当然組織としての成長も止まってしまうでしょう。

 

 

別のケースとして、エースとして君臨しているものの、その地位に満足してしまう、もしくはそれで納得してしまう技術者も居ます。


この様な技術者は向上心を失った時点で成長しなくなるため、当然、その人に頼る組織全体の成長も止まります。


エースの状況ちがえど、組織の行きつく先は同じです。

 

 


さて、向上心を失わない本当の意味でのエースをつなぎとめるためにはどうしたらいいか。

 


この答えが、最初に書いた、

 

重要業務を担える代役がいない

 

という最大のリスクを避けることのできる、

 

人材の代謝を加速させる

 

ということです。

 


つまり、エースを超えるエースを常に生み出し続ける、技術者人材育成のシステムの構築が大切となります。

 


最初誰もやったことのない仕事、できなかった仕事も、一度誰かができてしまえば、それは既存の仕事となり、最終的にはルーチンワークとなります。

 

向上心を失わない本物のエース技術者をつなぎとめるためには、常に、


「誰もやったことのない仕事、できなかった仕事」


に挑戦させることが大切であり、これらの仕事をするエースの時間を捻出するために必要なのが、エースの仕事の代役を担えるよう、エースの仕事を引き継げる若手技術者をあてがうというという人材育成体制なのです。

 


仕事を任せられる部下や若手がいれば、エースは安心してさらに高いレベルの仕事を行うことができるでしょう。

 

 

これは、別の観点からも重要です。


人材の流動性の激しい昨今、優秀な技術者の奪い合いは各企業が想像している以上に熾烈です。

 

今までの転職業界では、中途採用サイトにエントリーして、実際の企業の面接を受けて、という程度でしたが、最近では、転職を通じたキャリアアップを応援するコンサルタントが多く存在しており、転職希望者に興味を持ったコンサルタントが「直接連絡」をしてきて、転職希望者の希望と転職先のニーズのマッチングを行う「一本釣り」の時代です。

 

つまり、エースとして活躍できる人材であるほど、働く場所という選択肢は非常に多い世の中となってきているのです。

 


年齢も30代までであればかなり多く存在しています。40代以上でも条件のいい労働条件はざらにあります。

 


この状態にあって、現職に不満を抱くエース技術者が現職にとどまる保証は全くありません。

 

もし、エース技術者が突然退職するとなった場合、その人のやってきたことを担える人材がいなくては、通常業務も回らなくなるほどの大打撃を受けるでしょう。

 

 

こういう観点からも、常にエースの代役を用意しておくということが必要であり、その代役の技術者を育成しておくことが大切です。

 

 

 


エース技術者のいる企業ほどこの点は注意が必要です。

 

 

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