情報は 鮮度 が大切ということを意識させる
公開日: 2014年12月25日 | 最終更新日: 2024年8月11日
部下である若手技術者に何かの会議の出席を任せた時、出張を任せた時、そして開発業務を任せた時を想定してください。
それに対する、議事録、出張報告書、ある程度の開発の区切りでの技術報告書がどのくらいのペースで出てきているでしょうか?
議事録は1、2日後ですか?
出張報告書は出張から帰ってきてから3、4日以内ですか?
はたまた、技術報告書は開発業務がすべて終わるまで書かない状態ですか?
もし、上の問いかけについて、
「自分のチームの若手技術者からは、その程度の時間で報告書が出てくる」
というようでしたら、
「情報の鮮度意識」
が不十分といえます。
議事録、出張報告書、技術報告書には期限を設定する
もしかすると、
「明確な報告書提出期限を設けていない」
「技術報告書はほとんど書かない」
といった状況かもしれません。
もしそうだとすると事態はより深刻です。
部下がどこかに行ったとき、会議に出た時、何らかの開発業務を任せて、小さいことでも結果が出たとき….。
これらの出来事に対して、活字で情報を共有し、それを記録として残すことは極めて大切です。
口頭でのやり取りでは、情報はその場で消えていきます。
もちろん、活字での情報に加えての口頭報告は大切です。
どうしても活字では表しきれない微妙なニュアンスについては、口頭で報告してもらうことで細かい情報を確認できるからです。
しかし活字で情報を共有し、それを記録することは、誤解が出ないように後で情報を確認する際、とても有効な手法となります。
加えて情報には鮮度が大切である、ということを若手技術者に徹底させることはさらに重要です。
情報鮮度が維持できる文書作成期限の目安
議事録は当日。
出張報告書は翌稼働日。
技術報告書は結果が出てから1週間以内。
というのが情報の鮮度が失われない目安です。
技術者は活字で情報を伝えるのが不得手であることが多い上、主観的な時間軸で過ごす、つまりマイペースな人が多いのです。
このため、情報の鮮度に対する意識が低いことが多々あることから、以下のような問題が生じることになります。
- 技若手技術者が情報をため込むことで問題が表に出るまで時間がかかる
- 一人で仕事を進めようとするため独りよがりな状態で非効率になる
- 研究開発業務で得られたデータが人の目に触れることなく消えてしまう
特に鮮度が命の議事録や出張報告書については情報伝達の数日の遅れが様々な業務の遅れにつながり、結果として他社の開発スピードに後れを取ることで売り上げや利益を得る機会を失うことにもなりかねません。
文書作成期限があいまいになりがちな技術報告書
さらに見落とされがちなのが「技術報告書」です。
特許などで技術の権利を主張するのはどこの技術系企業も行っているのですが、特許に書けないような細かいノウハウなどは自社内の機密文書である技術報告書にまとめることが重要です。
この最大の目的は、一人で技術情報を抱えがちな技術者から情報を吐き出させ、
「その技術情報をチーム、組織で共有する」
ことです。
自分自身は専門家である
という意識が強すぎる技術者は、人に相談するよりも、自分で解決しようとする傾向があります。
もちろん、自分自身で考えてというのは大切なことですが、それ以上に必要なのは、
自分で考えながらも、情報を社内で発信して議論する
ということで、問題の解決や今後の進め方の指針精度を高めるということが肝要です。
そして技術報告書で報告されるのは、今現在の悩みや問題、そして新たな結果といった、
リアルタイムの情報
であることが好ましいです。
最前線での情報を共有することで、技術者指導者である上司も最新状況が把握できるうえ、技術報告書をまとめた本人も今現在の問題や結果なので議論した時の情報収集スピードが上がります。
本コラムに関連する一般的な人材育成と技術者育成の違い
情報の鮮度が重要であることは、一般的な人材育成でも取り上げられるテーマの一つだと思います。
恐らく研修棟で情報の鮮度が重要だ、
という意識づけが行われるものと考えます。
技術者育成では鮮度を維持するため、議事録、出張報告書、技術報告書の3種の書類に関する基本構成を含むテンプレートをご提案します。
本内容を技術チームのリーダーや管理職と議論し、
最終的な形に作り上げていくことを当社として支援します。
上記3種類の書類の記載内容は当然ながら異なりますが、
文章構成や書き方など、共通する内容もあります。
顧問契約に該当する機密保持を含む準委任契約を締結するケースでは、
若手技術者に対しては実際の業務を題材に各種報告書を作成いただき、
それを一度リーダーや管理職に添削いただきます。
その結果を当社で再度確認し、
添削のポイントを解説することで統一した添削体制構築を支援します。
本支援に関する当社事業は技術者育成コンサルティングになります。
支援内容についてご相談、ご質問があるようでしたら以下の問い合わせフォームよりご連絡ください。
最後に
いかがでしたでしょうか。
議事録、出張報告書、技術報告書といった文章での報告を鮮度よく行える文化を醸成するため、若手技術者には情報の鮮度の大切さを認識させるようにしてください。
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