若手技術者育成のポイント

若手技術者人材育成のポイント

若手技術者育成のポイントは何でしょうか。

もちろん色々ありますが、本質的なものに絞っていくと以下3点に集約されます。

1.仕事が好きなことや興味のあることである

2.仕事を任せてもらえる

3.信頼できる上司・先輩の存在

これら3つの要素が重なり合ったところに、技術者育成の本質が現れます。

それぞれについて一つ一つ説明していきます。

1.仕事が好きなことや興味のあること

人というのは自分の好きなことや興味のあることであれば、長い期間にわたってモチベーションを維持することができます。

このモチベーションというのは育成という観点から極めて重要な土台となります。

特に技術者は理系出身者であるゆえ、専門性に関するこだわりが強いのが一般的。 このこだわりをうまく味方にして、モチベーションの維持手段として活用しない手はありません。 モチベーションが高ければ、見聞きしたことをかなりのスピードで吸収し、物にしていきます。

しかし、モチベーションが下がってしまうと、どれだけいい経験をしたとしてもそれが知見としてみにつかず、さらに想定外のトラブルなどが起こった時に必要以上の精神的ダメージを受けるなど、育成以前の大きな問題点が噴出するでしょう。

100%好きなことや興味のあることでなくても、可能な限りそれに近づける、もしくは100%の勤務時間のうち何割かは好きなことに時間を使うことを許可する、といった対応が若手技術者を前向きにするために重要となります。

2.任せてもらうこと

人は仕事を任せてもらうことで大きく成長します。

打ち合わせ、外出、出張に毎回同行する上司が居ますが、これは間違いです。

特に技術者は、職人気質や体育会系気質のタイプが多いため、下の人間に仕事を任せられない傾向があります。

一緒に上司が同席していれば、部下は安心でしょう。

しかし、その一方で、上司に気を遣いながら業務を進めるのは、本当の意味で本人の力を引き出しきれません。

ある程度仕事ができるようになったらどんどん任せましょう。

任せられた技術者は、試行錯誤をしながら自分で何とか仕事を進めようとします。

この試行錯誤こそ、自分の業務推進力を高める血肉となるのです。

任せるというのは放置するのとは違います。時に部下の様子に注意を払い、状況を把握し、いつでも部下が相談できる状態にしておくことが極めて重要です。

そして、必要に応じて助言を与えるというフォローアップが重要です。

3.信頼できる上司・先輩の存在

育成というと、若手技術者のみに視点がいってしまいそうですが、その指導役、もしくはそれに準ずる立場にいる方々の存在も重要です。

なぜならば、若手技術者の育成には「任せて+フォローする」というフローが不可欠だからです。

若手技術者は上司や先輩の考えている以上に、よく上の方々を見ています。

この人は尊敬するに値するのか、というのを見極めているのです。

当然ながら部下は上司や先輩の信頼を勝ち取るために頑張らなくてはいけませんが、同時に上司や先輩も部下の信頼を勝ち取るよう努力をし続けなくてはいけません。

両者に信頼関係が無ければ、育成という「キャッチボール」が成立しないからです。

具体的には、上司や先輩には、以下のようなことが求められます。

a.常に上を目指すという向上心を持ち続けているか。

b.部下がミスや失敗をしたときに、それをカバーできる十二分なスキルを有しているか。

c.部下が迷った時に有益な助言を提供することができるか。

部下から見れば、

「最後はこの人がいる」

という安心感があれば、試行錯誤を繰り返すことで経験を積みながら、最短距離で成長していくことができます。

育ちたくない若手技術者はいません。

このことを忘れず、部下から信頼されるような向上心を、上司や先輩も持ち続けることも育成の前提条件として重要です。

技術者育成研究所の提供する技術者育成コンサルティングプログラムでは、若手技術者に「自分整理図」で自らの強みを認識してもらいながら、指導者側には「権限移譲」の大切さを確認してもらうようプログラムを組んでいます。

このプログラムを通して指導される若手技術者と指導する技術者の間での信頼関係を構築しながら、最短距離での若手技術者育成を目指します。

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