栃木県庁主催のセミナー登壇によって見えた最近の技術者について

栃木県庁からの依頼で登壇している「若ものづくりネットワークセミナー」の第二回目(全四回)が終わりました。

今回は前回の技術報告書の書き方のスキルを踏まえ、「技術者の企画力」にフォーカスをあて、

聴講者全員に自分自身を題材とした企画を作ってもらい、県庁の方とも協力しながら採点の上、上位者には表彰をする、

ということを行いました。

 

 

このスキルアップセミナーは栃木県が産業振興の一環として行っているプロジェクトで、

異業種企業のネットワーク構築が主目的となっています。

 

 

登壇して解説する内容としては、一般の製造企業の技術者の新人研修で行っている内容に沿ったものとなっています。

新人技術者研修については以下のサイトをご覧ください(以下の画像をクリックするとサイトに移動します)。

– 新人技術者研修の概要 –

 

 

また若ものづくりネットワークセミナーの登壇については、以下のコラムをご覧ください。

栃木県庁主催の 若ものづくりネットワークセミナー 登壇

 

 

第一回の登壇内容については栃木県の「とちまる」のサイトでも取り上げていただいています。

 

(出展元:https://ja-jp.facebook.com/Tochimarukun/

 

 

 

今日は3年目を迎えた本プロジェクトで感じている、技術者の課題について考えてみたいと思います。

 

 

 

技術者の文章作成力の低さは変わらず

第一回の時に課題を出し、技術報告書を作成する課題を行っていただきました。

中小企業からかなり大きな企業から、20代から30代の設計、生産、技術営業、品質保証等幅広い業種の方に参加いただいています。

 

しかしながら、課題に対し一般的な技術者としての技術報告書の作成スキルレベルにある方は1割程度でした。

ここは例年と同じです。

 

 

話を伺うと、一部の企業を除き企業内で技術報告書を作成し、それに基づいた議論や過去のデータの見返しといった業務が殆ど無いとのことです。

 

 

その一方で今回ご参加いただいた企業の技術者の多くがコミュニケーションを課題に挙げており、言いたいことを活字化できない、つまり要点抽出と情報提供の順番が付けられないため、話がかみ合わないという状況が浮き彫りとなっています。

 

 

 

 

技術者としての企画力

 

こちらのスキルは例年に比べて高い印象です。

 

今回の企画力は技術者としての自己紹介ということを題材に行っていただきました。

 

 

例年、自分の実績を述べない(自分自身が見えておらず、また実績を謙虚さにより封印する)方が多い中で、

きちんと述べる方が多かったのは良かったと思います。

 

 

その一方で、企画の根幹ともいえる

 

 

「相手の課題の抽出と、それをどのように解決できるのか」

 

 

という部分の記載は皆無に近く、やはり技術者は相手のニーズを捉えながら研究開発することが苦手である傾向が強く出ています。

 

 

 

このスキルは自社製品の新規企画立案にもそのまま応用できるスキルであるため、早い段階でみにつけるべきでしょう。

 

この辺りは企画力に関する過去のコラムをご覧ください。

技術者の イノベーション と 企画力 1:企画力とその盲点

 

 

 

次回はプレゼンテーション技術を解説しますが、

プレゼンテーションは企画力と文章作成力があって初めて機能することは、

技術者として知っておいた方が良いでしょう。

 

 

 

 

 

新規事業提案というアウトプット

 

今年の栃木県との事業では、指導したスキルを一刻も早く技術者自身の血肉にしてもらうため

 

「新規事業提案」

 

というところを最終的なアウトプットにしています。

 

 

このようなある意味大掛かりなアウトプットにしているのには、

最近の若手、中堅技術者の性格を考慮した育成が必要である、ということが一因です。

 

 

30歳前後の技術者に増えているのが、

 

 

「日々の業務に対する当事者意識が薄い」

 

 

というタイプです。

 

 

まだ理由はよくわかっていませんが、明らかに30歳前後に集中しています。

 

 

20代の若い技術者の方がきちんと責任感を持って仕事をする傾向があるため、

企業での経験の長さはあまり関係が無いように感じています。

 

 

 

 

リスクをとって前に進むという仕事の経験が無く、

またリスクになりそうになると逃げるということを繰り返しながら、

 

誰かが何とかしてくれるだろう

 

というスタンスが多いのが特徴です。

 

 

 

今回の事業ではこのようなタイプの技術者にも模擬的に当事者意識を持ってもらうため、

最終的なアウトプットを明確に設定しました。

 

 

さらにこのアウトプットは金融機関、行政、民間企業、投資家等、対外的に発表してもらい、

本当に新規事業を立ち上げられる可能性があります。

 

 

裏を返すと失敗すれば当人たちが恥をかくことになります。

つまり逃げ道は無い取り組みになっています。

 

 

 

新規事業創出というアウトプットに向け、本気で取り組むように繰り返し伝えたこともあり、

今参加いただいている技術者の方々は一生懸命になってくれています。

 

 

 

 

今回のような栃木県での取り組みが、

技術者の育成における一つの基準にしていきたいと考えています。

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