技術者の プレゼンテーション力 の最重要点

 

presentation

 

今年度の栃木県庁における若手技術者向けの複数回にわたるセミナーの最終回である、技術者のための プレゼンテーション力 ということに関する講演が先週終わりました。

 

 

engineer presentation skill

https://ja-jp.facebook.com/Tochimarukun/

 

※本セミナー登壇に関しては以下のコラムをご覧ください。

栃木県庁主催の 若ものづくりネットワークセミナー 登壇

 

 

 

非常に活発に取り組んでいただき、来年2月に予定される新規事業提案では色々な提案が出てくるのではないかと楽しみです。

 

参加者の方の提案が実を結ぶよう、栃木県庁とも連携しながら黒子として準備していきたいと思います。

 

 

 

今回の技術者向けのプレゼンテーション力の講演をするにあたり気が付いたことが2点ほどありますので、ここで述べてみたいと思います。

 

 

 

 

若手技術者のプレゼンテーション力は向上の傾向にある

 

一つの明らかな傾向として、技術職の人材においてプレゼンテーション力と年齢は反比例の傾向があります。

明らかに若い方の方がプレゼン力が高い傾向が示されています。

 

 

理由はまだわかっていませんが、もしかすると何かを発表するという機会が多いのかもしれません。

 

 

今回の講演での課題を行っていただいた若手技術者の方々の中には、

プレゼンテーション力という観点だけでいうとほぼいうことが無い方も居ます。

 

 

 

日本人はプレゼンが下手であるという流れに沿う形で、技術者がプレゼン力に劣るというのは過去のものになりつつあるかもしれません。

 

 

 

しかし、上記はあくまで一般汎用的なプレゼンテーション力という切り口の話であって、技術者であるという強みを活かしているかというと別問題であるというのは盲点かもしれません。

 

 

 

 

 

技術者としての強みを活かすのであれば専門性と客観性を前面に出す

技術者は一般的なプレゼンテーション技術とは一線を画した戦略をもってスキルを高めなくてはいけません。

 

 

 

 

その中で最重要なものが、

 

 

「専門性と客観性」

 

 

という2つの観点です。

 

 

 

プレゼンテーション技術は上を見ればきりがないのと、横を見てもきりがありません。

つまり、どのような目的をもってプレゼンテーションをするのかによってその中身や形は変わってきます。

 

 

そして一般的に注目を浴びるプレゼンテーション技術の多くは経営者や営業担当者向けのものが多い

ということを認識することは重要です。

 

 

技術者がわざわざ自らの強みを後ろにおいて来る必要はありません。

初めから持っている強みを積極的に活用するという思考が必要になります。

 

 

 

 

技術者が専門性を生かしたプレゼンテーションを作成する際の留意点

 

まず技術者の強みを活かすという観点で最重要なのは、

 

 

「自らが有する、そして自社が有する専門性を主軸に据えることで軸足を確固たるものにする」

 

 

ということです。

 

 

まず話をしたい枠組みが専門性に基づいたものであるということを企画の段階で決めます。

 

 

すると、話を聴きたい聴講者の数が減るというネガな側面が出てくる一方、

 

 

「その話を聴きたい目的意識を持った聴講者の抽出ができるようになる」

 

 

というプレゼンテーション戦略で最上位概念にある「仲間や理解者を増やす」という確度が高まります。

 

 

このように専門性を主軸とすることでプレゼンテーションが本当の理解者、仲間を引き付ける魅力的なツールとして機能し始めるのです。

 

 

 

この際に重要なのは、

 

 

「わかりにくい専門的な内容をわかりやすく伝える」

 

 

ということです。

 

 

技術者のプレゼンテーションにおける専門性の本質は、

 

 

「専門用語を知っている知っていないではなく、それをわかりやすく伝え、その専門性にニーズを有する人を掘り起こすこと」

 

 

です。

 

そのため、専門性という軸ブレをしないように注意しながら、わかりやすく伝えるという努力が重要になります。

 

 

 

 

ローマ数字という最強のグローバル言語を扱える技術者の強み

 

業界問わず、

 

 

「定性的な表現の多い技術者が増加している」

 

 

ということを感じています。

 

 

 

定性的というのは、以下のような表現を指しています。

 

 

– 大きい、小さい

– 早い、遅い

– 長い、短い

– 厚い、薄い

– 熱い、冷たい

 

 

数字を扱うことを使命としている技術者が上記の表現を多用するのは、

自らの強みを破棄してしまっていることと同等です。

 

ここはやはり定量的な表現をすべきでしょう。

 

時間であれば秒、分、時間、寸法であればmmやm、温度であれば℃です。

 

 

定量表現の根幹にあるローマ数字は世界最強のグローバル言語です。

この辺りについては過去に以下のコラムでものべたことがありますので、そちらも合わせてご覧ください。

※ 技術者にとっての グローバル化 とは何か

 

 

プレゼンテーションにも定量的な表現を加えることで、聴講者の理解を合わせることができます。

 

このような取り組みは上述のプレゼンテーションで最重要である理解者、仲間を増やすということについて大きな効果を発揮すると考えます。

 

 

 

 

いかがでしたでしょうか。

 

 

プレゼンテーションというのはテクニック的な情報も多く、それらを理解すれば比較的スキルアップスピードが速いという特徴もあります。

 

 

 

ただし、プレゼンテーションの本質的な部分に目を向けると技術者は自らの職種としての強みを活かさなくてはいけない、

ということを忘れてはいけません。

 

 

 

プレゼンテーション技術を高めたい技術者の方にとっての参考になれば幸いです。

 

 

 

 

 

 

 

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