わからない と言えない技術者  

無知を認めたくない

 

 

 

 

若手技術者育成において、「知っていることこそ正義」という専門性至上主義を捨てさせることが最初で最大の難関です。

 

この専門性至上主義を捨てさせるのに苦労する根本的原因の一つが、


「わからない」と言えない技術者の性質


です。

 

色々話をしていくとわかっているようなそぶりを見せるので、わかっているかと思って仕事をやらせてみようとすると、全然わかっていない、というパターンを経験したことはないでしょうか。

 

このような場合、

 

「知らないことはきちんと知らないと言え」

 

と叱責したくなる技術者指導者層の方々の気持ちはよくわかりますが、叱責をすればするほど若手技術者は委縮し、自分のプライドを守るために、もっと「わからない」と言わなくなっていきます。

 


では、どうすればいいのでしょうか。

 

1つの効果的なやり方として、事前にその業務を行うのに必要なスキルや知識に関する質問を投げかけることです。


目の前に質問を投げかけられても、様々な言い訳をして「わからない」と言わない若手技術者も多いと思いますが、その場合は最後の最後までヒントを与えながらも答えを教えずに考えさせ、そして考えたことを話させることで、質問の最終的な答えを頭の中にすりこませます。


すぐに答えを与えたり、知らないことをバカにしてはいけません。


前者の場合は答えが知見としてみにつきにくく、後者の場合は委縮してしまいます。

 

このように、知っている、知らないという議論ではなく、考えて導き出すという作業をさせることで、考える力を養ってもらうことが主眼となっています。


つまり、必要な知見について、質問形式の「コーチング」をベースにした「考えさせる」ということと、「話させる」というアウトプット中心の育成を通して必要な知見を精度よくみにつけさせるという育成の観点からのアプローチなのです。

 


さらにこの育成方法は、仕事を任せようとしている若手技術者がどこまで必要な知見を有しているのか、どのようなスキルをもっているのか、ということを事前確認できることになり、仕事のアウトプットの質低下を最小限に食い止める意味もあります。

 

 

技術者育成方法の一つとして実践してみてください。

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